題「アウトなレイジ」
人物
下葛信長(50)下葛組組長
鬼玉光秀(38)下葛組組員
虫玉五郎(40)下葛組組員
ウメ(80)駄菓子屋店主
小沢一郎(9)小学生
◯駄菓子屋・外観
バラック調で傾きかかった佇まい。
ジュースの自販機の横に連なったガチャガチャがある。
柄の悪い連中が店内を覗いている。
◯同・中
薄暗く、所狭しと商品に囲まれて無表情で座っているウメ(80)に
スーツ姿の下葛信長(50)と鬼玉光秀(38)がメンチ切っている。
下葛「おい」
鬼玉、すかさずマッチを擦って吹く。
煙がゆらゆらと上っている。
下葛、ゆっくり息を吐いて一呼吸置いてから、一気に煙を吸い込む。
目を閉じている下葛から吐息が漏れる。
ウメ、無表情で下葛を見ている。
下葛「バァさんよぉ、あるのわかってっからさぁ、はよ出せや」
ウメ「・・・知らん」
下葛の声「ワルサーだよ。テッポウ」
ウメ「しらんしらん」
下葛、舌打ちして鬼玉に
下葛「おい、このバアさんホントにしらねぇんじゃねーのか?」
挙動不審な顔の鬼玉。
◯同・外
ぶらぶらと鼻をほじりながらガチャガチャ器械を物色している虫玉五郎(40)。
虫玉、目を丸くしてガチャガチャ器械の一つを凝視する。
◯同・中
下葛、慌て顔になり鬼玉にすり寄りながら
下葛「おい、やっぱ普通の駄菓子屋なんじゃねーのか?それじゃあ俺やばくね?ねえ?」
と鬼玉に擦り寄る。
虫玉の声「ありました!組長!」
下葛と鬼玉、入り口の方を向く。
下葛と鬼玉、ニンマリしてから
下葛「ババア、あんまてこずらせるんじゃないよ。あと先短い命なんだからさ、大事にしなよ」
と鬼玉を見る。
ニンマリしている鬼玉。
下葛「なにニタニタしてんだ、バカヤロー」
と鬼玉の顔を指でいじりながら出ていく。
無表情のウメ