遠江伝承文芸映像詩

半農半術で創造的に生きていく諸術探究編

アウトなレイジ 最終章

題「アウトなレイジ」

 

 

人物

 

下葛信長(50)下葛組組長

鬼玉光秀(38)下葛組組員

玉五郎(40)下葛組組員

ウメ(80)駄菓子屋店主

小沢一郎(9)小学生

 

◯同・外

   ガチャガチャに貼られているPOPには「ワルサーP38」

   の文字。そしてワルサーP38風な粗悪なモデルガンが写っている。

   ガチャガチャのハンドルを握っている下葛。

   ランニングシャツに縦縞のパンツ姿の下葛がガチャガチャを睨みつけている。

   下葛の額から汗が垂れる。

   ハンドルを握る下葛の手が震えている。

   下葛の目が血走っている。

虫玉の声「組長」

   下葛、じっとガチャガチャを睨んでいる。

虫玉の声「あの、組長」

鬼玉の声「組長!」

下葛「ウルサイ!話かけんじゃないよ!まったく」

   と口元が緩み

下葛「あ、おお。そうだな。じゃ、頼むよ」

   と目を閉じて深呼吸する。

   暴走するトラックがパンクして急ブレーキをかける音。

 

◯道

   大型トラックの前輪がパンクして止まっている。

   トラック運転手に警察手帳風のメモ帳をかざしている一郎。

   トラック運転手、平謝りする。

 

◯駄菓子屋・外

   漂う煙とリラックス顔の下葛。

下葛「今の音は大型トラックの前輪がパンクしたんだな。こう見えて絶対音感持ってんだよ」

  とニヤケながら目を開ける。

   ガチャガチャのPOPは血や肉片が飛び散って見えにくい。

下葛「これ血だよね。なんで?」

   下葛の額から垂れ落ちる血。

下葛「あれ、なんだか眠たくなってきた。それではみなさんおやすみ」

   と倒れ込みながらガチャガチャを回す。

   ワルサーP38の銃口から煙が出ている。

   下葛の頭が撃ち抜かれている。

   虫玉と鬼玉、黒服の男たちに銃を向けられて、手をあげて立っている。

   ワルサーP38のボディに「P38」の文字。

   ガチャガチャから出てきたカプセルが地面を転がっている。

   店の入り口で止まるカプセル。

ウメの声「あい、ハズレー」