遠江伝承文芸映像詩

半農半術で創造的に生きていく諸術探究編

いい映画がわかれば、いい動画を作れる

こんにちは。
 
いい映画を判断する方法として、数ある一つではありますが、テーマを観客に感じさせているか否かがあります。
 
例えば、テーマが「戦争は悲惨だ」であれば、クライマックスあたりでテーマそのものをセリフで言ってしまっている作品は、その場ではインパクトがありますが、観賞後の余韻が残りづらいんです。だから”いい映画”とはいえないんですね。クライマックスで画面の構成のみで観客の脳裏にテーマを感じさせる映画は ”なんか残る映画だ” となるわけです。
 
”いい映画”の考え方を参考にすると”いいyoutube動画”もわかってきます。youtube動画は言ってみれば実演販売系の動画バージョンですよね。物語系と無関係のように思いますが、再生回数の多い動画には起承転結がしっかり構成されていてテーマも混ぜ込まれています。トップyoutuberの動画をみればダラダラ感がなく押さえるべきところを押さえているのがわかります。
 
ここで、映画を含め、youtube動画の制作や企業PR映像の参考資料に ”サイレント映画” をお勧めします。
”いい映画” にも通じますが無声の映像のみで観客を魅了する技術は、カットの構図や構成が優れ映像の意味を十分にはっきしているからです。
 
カットとカットをつないで別の意味合いを持たせる技法を作り上げた監督に、ロシアのエイゼンシュタイン監督がいます。代表作に「戦艦ポチョムキン」という日本人からすればなんともふざけた名前なんですが、この映画はサイレント映画の最高峰と言われているくらい評価が高い。
こう言った映画の語り口を黒澤監督や小津安二郎監督、木下恵介監督方は理解していたんです。
 
デジタル映像は便利で効率性が高いですが、映像という独特の本質を理解しないと発展はしづらいし似たり寄ったりのどんぐりの背比べになってしまうのではないのでしょうか。

 

戦艦ポチョムキン【淀川長治解説映像付き】 [DVD]