遠江伝承文芸映像詩

半農半術で創造的に生きていく諸術探究編

アウトなレイジ 第3章

題「アウトなレイジ」

 

 

人物

 

下葛信長(50)下葛組組長

鬼玉光秀(38)下葛組組員

玉五郎(40)下葛組組員

ウメ(80)駄菓子屋店主

 

◯駄菓子屋・外

   ガチャガチャの前に一郎と下葛率いるヤクザ達がいる。

   一郎、虫玉に

一郎「刑事セットだよ」

   箱には西武警察風イラストが描かれてある。

   下葛、ビビってから虫玉に耳元で

下葛「こいつはもう坊主なんかじゃねぇ、刑事だ!」

   虫玉、ビビって、オドオドしながら

虫玉「へぇー、すごいねボウヤ。立派な刑事になってね」

   一郎、無表情で突っ立てる。

   下葛、ハッとして、虫玉の耳元で

下葛「五十円もらえ」

   虫玉、ガッテンして

虫玉「おじさん達今ね、すごく困ってるんだ」

一郎「あっそう」

虫玉「どうしても五十円が必要なんだよね、困ったなぁ」

一郎「カツアゲ?」

虫玉「嫌だなあ、おじさん達そんな風に見えるかい?」

一郎「どう見てもヤクザだろ」

   一郎、周りのヤクザ達を見回す。

   互いを見合うヤクザ達。

   一郎、あっとして、下葛に指をさして

一郎「それアルマーニだろ?」

   下葛、ハッとして服のタグを見ながら

下葛「あー、あるえむ・・」

一郎「くれや。それと交換してやる」

虫玉「おい、いくらなんでも」

下葛「おお、こんなんでいいのか?」

   虫玉とヤクザ達、驚く。

虫玉「この少年すげーな」

   下葛、スーツを脱ぎ始めている。

   虫玉とヤクザ達、下葛の露出を隠す壁になる。

虫玉「金が先やぞ」

一郎「スーツが先だ、別にいいんだよ僕は」

虫玉「わかったよ、わかったって」

   虫玉、スーツを一郎に渡す。

   一郎、虫玉に五十円を渡す。

 

◯同・中

   ウメがうたた寝している。