小夜の中山には夜泣き石伝説が有名です。
でも、ここはこのほかにも伝説が多くあるのです。その一つが、
「蛇身鳥伝説」
伝説の一部を抜粋します。
「誤って死んでしまった我が子に気が狂った母親は、その身を菊川に投げた。
しばらくすると、夜な夜な中山あたりには、頭が鳥で体は蛇、そして鋭利な刃を編んだ翼をも
つ怪鳥が現れるようになった。
そこへ京から武将がやってきて、怪鳥は退治された」
新解釈(上図)
山賊が中山に出て困っていた。そこへ京から武将たちがやってきて山賊を退治しようとした。
武将たちに追い詰められ、四方から矢を向けられる山賊リーダーだった。
と、どこからか小さな子供がかけ寄ってきて、背後に隠れる。
風が吹いて山賊の顔が姿を現す。
女か!
武将たちの中には矢を引く力を緩める者も。
と、武将のリーダーが叫んだ。
雉野のような鳥の鳴き声が山に響く。
武将たちは京へ帰ったが中にはその地に留まる者もいた。
山賊の女リーダーは中山峠で朽ち果てるまで見せしめにされた。
それからしばらくは、その中山峠を通った人たちは山賊の遺骸をまるで怪鳥のようであったと
口々に伝えたとか。